空き家を放置するリスクについて

高齢の親が老人ホームなどに入居したり子供たちが相続したが遠方のため管理できない
などの理由で実家が空き家になるケースが増えていますが、
空き家をそのまま放置しておくと、いろいろな問題が出てくることがあります。

1.建物が傷んで危険になる
空き家は、誰も住んでいないと傷みやすくなります。
雨風で屋根や壁が壊れたり、湿気でカビが生えたりします。
特に古い家は傷みが早くなり、最終的には倒壊の恐れもあり、
周囲の人や家へ被害を及ぼす可能性があります。

2.防犯・防災面の不安
空き家は、人の目がつかなくなるため犯罪の温床になっていたり、
空き家にゴミが捨てられたり、放火の危険もあります。

3.資産価値が下がる
空き家を放置しておくと、その家自体の価値が下がるだけでなく、
周辺の土地や住宅の価値も下がることがあります。
空き家が増えたエリアは、見た目がよくないため「住みたい」と思う人が減り、
不動産全体の価値が下がることがあるのです。
資産価値が下がると、売りたい時も売れなくなるリスクがあります。

4.修理・解体費用がかかる
空き家を放置していると、いずれかの修理や解体が必要になることが多いですが、
放置期間が長いほど費用がかさみます。

5.行政からの指導や罰金の可能性
市区町村などの行政から「特定空き家」に指定されると指導や、
場合によっては罰金が科される可能性があります。

特定空き家

国土交通省のガイドラインによると下記の4つの状態と認められる空き家を
「特定空き家」と定義しています。

①「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態」
②「そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態」
③「適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態」
④「その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態」

特定空き家に認定されると

1.指導・助言
 行政(市町村)から所有者に対して、適正管理を求める助言が行われ、
従わなかった場合や近隣住人から苦情が入った場合などは、行政指導が行われます。

2.勧告
指導に従わない場合、行政は「勧告」を行います。その空き家は翌年から住宅用土地固定資産税の軽減措置が適用されなくなり、
固定資産税が更地と同様に最大で6倍となる可能性があります。

3.命令
 自らにも従わず、所有者が改善しない場合、行政はより強制力のある「命令」を出し、
最大50万円の罰金を科せられる可能性があります

4.行政代執行(強制撤去)
 最終手段として、命令にも従わず放置を続けた場合、行政が「行政代執行」と呼ぶ強制的な解体工事が行われ、
解体にかかる費用は所有者に請求されます。

空き家を放置しておくと税負担が増えたり、最悪の場合は強制解放と費用負担が発生しますので早めの対策が大切です。